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指導医・専攻医・看護師長の座談会。
職場環境や職種間の関係性、
米盛病院ERで働くそれぞれの胸のうちを
職種の垣根を超えてざっくばらんにお話しします。

(指導医×専攻医)働く環境について

参加者プロフィール

【写真左】指導医:倉田秀明さん
【写真中央】専攻医:田中雄基さん
【写真右】看護師長:山之内千絵さん

田中(写真中央/専攻医):

研修医時代から救急を中心に研鑽を積んできましたが、ちょうど外傷に興味を持ち始めた頃に、当院救急科の倉田先生に声をかけていただきました。当時、当院は新病院に移転し、外傷をメインにした救急に取り組んでいこうとしていた時期でしたので、勉強と経験を重ねるのにぴったりの病院でした。

倉田(写真左/指導医):

確かに最初声をかけた時、「救急しながら整形もやりたい」という話をしていたよね。

田中:

はい。整形外科に籍を置きながら救急の仕事をやらせてもらいたいという自分の希望を、当院は叶えてくれました。救急に対する勘を失わないようなシフトを組んでくれて、うまい具合に整形の勉強ができているんじゃないかと思っています。

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倉田:

救急と整形を両方やっている先生って今はまだ少ない印象だよね。当院は整形外科医としても働きやすい?

田中:

経験を積みたい外傷症例が多く、働きがいがありますね。加えて当院は外傷グループや関節グループ、脊椎グループといった症例ごとにグループ分けがなされているため、学びたいと思うグループに所属させてもらえれば、より興味のある分野を掘り下げて学べるところが魅力だと思います。

倉田:

専攻医くらいの頃は、今まで学んだり経験したりしてきたことを発揮しながら、自分がより専門的に勉強したいことをどんどん学んでいくことができる時期。同時に「これができるようになった」「あれができるようになった」と自分の成長を、最もかみしめていける時期。当院は他科との垣根もないので、他科のベテランの先生に遠慮して若手が手を出せないとかはないよね。そういう意味で当院はすごく良い環境なのではないかと思います。特に救急と整形をやりたい先生にとってはすごく働きやすい。そのあたりはどう感じている?

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田中:

救急のときには、例えば当直で吐血の患者様が来られたら、自分で胃カメラや大腸カメラといった内視鏡を使ったり、肺炎や尿路感染などの場合には、一晩自分で診て翌日内科の医師に引き継いだりできるので、日中は整形の仕事に集中できます。ここ数年で徐々にそういったシステムというか、仕事の割り振りが整理されてきて、当院はまたさらに動きやすくなったという印象はありますね。

倉田:

救急と整形をこなす、いわゆる「救急整形外科医」はまだまだ確立しているとは言えません。当院ではこの領域のアイデンティティを確立するのに田中と山﨑(米盛病院整形外科医)が頑張ってくれていると思っています。参考となるロールモデルがほとんどないなかで、彼らがどういう医師になっていくのか楽しみです。

(指導医×専攻医×看護師長)多職種とのコミュニケーションで大切にしていること
田中:

救急医の立場で言えば、当院の看護師は皆さんしっかりトレーニングを積んでいると思います。民間医療用ヘリやドクターカーを運用したプレホスピタルを実行するにあたっては、医師と看護師が一人ずつしかいない状況のなかで、医師だけでなく看護師さんの力量も要求されるわけですが、患者様への対応を非常にスムーズしていただけるので、院内でもプレホスピタルの現場でも高いレベルで仕事をさせてもらっていると実感しています。整形外科医として整形の病棟に関して言えば、当院はもともと整形メインの病院なので、管理・対応については優秀だと思います。どの病棟においても看護技術を身につけるのはもちろん必要だと思いますが、それと同じくらいコミュニケーションも大事だと思っています。私自身も、話しかけてきてくれたり、すぐ連絡をくれたりした時は、忙しいなかでもきちんとした対応を心がけています。

山之内(写真右/看護師長):

ERでは、「しっかり医師と話をする」「分からないまま想像で仕事をしない」「医師の了解を得たことをしっかり実行する」といったことを看護師全員で心がけています。その点に関していえば、お二人ともコミュニケーションに困ったことがなく助かっています(笑)。田中先生は看護師の提案を受け入れてくれたり、夜間の重症対応で看護師が少ない時に自ら末梢のルート確保をしてくれたり、すごくありがたいと思っています。

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田中:

救急をやって整形もやっているという、救急の最前線からは一歩下がった立ち位置になっていますが、そういう医師が当直の担当だと不安はないですか?

山之内:

田中先生とはちゃんと話ができて、コミュニケーションがとれているし、整形しか診ないというわけではないので、不安に感じることはありません。重症の患者様で全身管理をしながら整形をやらなきゃいけない、っていうときは田中先生の存在がとても心強いです。整形外傷の症例が多く、ERで整形外科医が処置をしたり、痛みをとってあげたりできることは、患者様にとってすごく良いことですから。また、1・2年目のER看護師にも声をかけてもらったり、動きに対してアドバイスをしてくれたりして、先生も私たちと一緒に教育してくれているんだなと感じています。

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倉田:

私が研修医だった頃、看護師さんに育ててもらった意識が強く残っています。当時勤務していた病院は男性の看護師さんがとにかく熱くて、下手なことをしたらめちゃくちゃ怒られるし、胸ぐらつかまれて怒鳴られていたからね(笑)。それだけ熱心に教えてもらっていたわけなので、その思いを下につなげていかないといけないなとは思っています。

山之内:

うちのERの男性看護師はみんな優しいですからね。そこはちゃんとみんなに指導しておきます。「研修医の先生にはもうちょっと厳しくしてね」って(笑)。

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倉田:

研修医・専攻医に対しては、技術面はもちろんだけど、研修を受けにきているわけだから、教わる環境を整えてあげなければならないと思っていて。専門研修が終われば、働く環境を自分自身で作っていかなければならない。だから最初の研修医・専攻医の期間くらいは、教えてあげるっていうところを意識してやっています。
ERでは定期的に勉強会を実施しているけど、一部の職種にだけ教えて、一部の職種には教えないというのはナンセンスだなと。医師や看護師、救急救命士すべての職種で共有しておかないといけない知識があり、いざスイッチを入れたときに、共通言語として動かないといけない。だから職種を問わずみんなまとめて勉強する必要がある。チーム作りですね。こういうことは他科ではあまりないかもしれませんね。

田中:

確かに、技術的・資格的なことで、できる・できないは当然出てくるでしょうけど、知識としてみんなで共有しておくことは必要ですよね。

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山之内:

ERでは月に1回ハイブリッド症例検討会を実施しているので、特に外傷重症例でのチームの戦略は共通認識できるようになってきましたよね。医師・看護師・診療放射線技師・臨床工学技士・臨床検査技師・救急救命士が集まって症例を振り返って、いろいろな視野から意見を出したり、勉強をしたり。経験がなくてもチームの一員としてできることを探して行動に移したりすることで、他の職種で手が足りない時にお互いに補完できるチームに成長しているんじゃないかなと思います。

倉田:

アセスメントという意味では、ERの皆がある程度評価できるようにしておくことも大事。治療や手術に関しては医師が担当しますが、そこにいたるアセスメントは皆が知っておくべきことだと思います。だからうちのER看護師は初療もついているし、プレホスピタルにも出て行く。手術にもつけばカテにも入る。こんなER看護師さんは実際見たことがありません。大変だと思うけど、すごく貴重な体験になっているのではないでしょうか。

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山之内:

うちのER看護師は、目の前にいる患者様のために何でもやりますよ! 大変なこともありますが、「手術室看護師じゃないから直接介助ができない」「カテ室じゃないからカテ介助ができない」じゃなくて、患者様が少しでも早く治療を受けられるようにするために、ER看護師に何ができるかを、常に考えることを大切にしています。先生方がER看護師を信頼してくださるのは何よりも励みになります。

田中:

ちょっと話は戻りますが、先程倉田先生がお話しされた「学ぶ環境」については、とても良い環境を与えてもらっていると思います。救急に関してはハイブリッドERであったり、プレホスピタルであったりと、診察・検査・治療といった診療のスピード感やダイナミック感は、おもしろいというか、やりがいを感じることができています。整形についても、私は今、専攻医という立場にいますが、症例が多く、指導してくれる医師もたくさんいます。本当に分からないことは丸投げで聞いても教えてくれるし、こういう治療はどうでしょうかと聞いても、きちんと意見を返してくれます。特に、急ぐ外傷に対してはすぐにレスポンスをくれるので、救急の現場や初療の対応がしやすいです。救急は検査が早いので、確認評価や治療も早くなります。そういった救急のデバイスを整形にも活かすことができ、自分にとってはとても学びの多い環境です。

更新:2020年9月
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